「3.11天皇出席の震災追悼式典―全国一斉黙祷反対!集会・デモ」のブログ

3月11日の「政府式典と全国一斉黙祷」に反対するデモ・集会を行う「3.11行動実行委員会」のブログです。過去の行動報告、今後の行動案内、式典批判の論文・情報をお伝えします。

2021年3・11行動への参加・賛同をお願いします。

3・11天皇出席の追悼式典・一斉黙祷反対

被災者・被災地切り捨ての10年を許さない

3・11を反天皇制・反原発の日に!

 

「3・11行動」に参加・賛同を

東京電力福島第一原発の大惨事から10年たとうとしている。2月13日夜に最大震度6強という地震が東北地方を中心とした広範囲を襲った。東日本大地震を想起して恐怖した人が多かっただろう。その後マスコミは、「原発は異常ない」「使用済み燃料プールから水があふれたが、冷却に影響はない」などと報道した。しかし、私たちがこの10年で確信を持ったのは政府・電力会社・メディアによる発表が何一つ信用できないということである。大地震で再度の被害が起こり得る状態であることを改めて思い知らされた。

政府は今年の3月11日、「東日本大震災10周年追悼式」を天皇出席で行い、それをもって国家追悼式典を終えることを公言している。徳仁天皇、雅子皇后が初めて「追悼式」に出席し、「復興を全世界に示す大きな節目の年」(平沢勝栄復興相の閣議後記者会見/21年1月8日)とするのだ。

「追悼式典」は、原発事故の原因を「未曽有の天災」すなわち自然災害とすることで原発事故を引き起こした国家責任・原発企業責任(真相究明、謝罪、賠償、責任者処断)を放り出し、被災者、加害者もろともに「日本国家の再興」「経済復興」「原発推進」をつくりだすために行われてきた。「国歌斉唱」に始まる「追悼式典」の中心は、午後2時46分に天皇と共に行う一斉黙祷が強制されるのである。官公庁や学校、企業などへ「弔旗掲揚、一斉黙祷」の指示が出され、黙祷が強制されるのである。被災者と加害者、相反する立場にあるものを天皇のもとに「国民」とひとくくりにし、加害責任を打ち消し、国家目的―「復興」と原発推進に「国民」を向かわせるための儀式なのだ。とりわけ、今年の「追悼式」は「10周年」を行うことで福島原発事故を終わったこととしてマスコミや民衆の目からそらし、これまで以上に「フクシマ」を丸ごと切り捨て、「新たな安全神話」のもとで原発政策を推進するためのものである。

原発事故の加害責任ばかりか、この10年間の「復興」は核燃料サイクルを維持し、原発再稼働・原発輸出をすすめ、原発企業やゼネコン・電力独占を儲けさせただけだ。被災者・住民のためになっていないのみならず、更なる被害を押しつけながら汚染水や汚染土壌問題、原発収束作業による労働者被ばくなど深刻な現実問題を覆い隠そうというのだ。

そもそも先々代の天皇ヒロヒトの、国体(天皇制)護持のための戦争継続方針が、広島・長崎の原爆投下をもたらし、50万人以上の死者をはじめ甚大な被害を引き起こした。その上、原爆被害を「やむをえないこと」(1975年10月31日昭和天皇公式記者会見)と明言し、政府・資本は戦後の原子力「平和利用」、核・原発政策を推進してきたのである。

 菅政権は、新型コロナウイルス感染が蔓延している状況でも今年7月の東京オリンピックパラリンピック開催を強行し、原発事故と新型コロナウイルス感染からの復興を国際的に打ち出すと言っている。天皇制は、被災者に「寄り添う」演出をしながら、原発事故責任追及ではなく、「国難」に対して「復興」に向かう「国民」一体をつくりだす装置だ。東京オリンピックパラリンピックは、天皇国家元首として登場し、天皇制と一体のナショナリズム国威発揚を目指している。「復興五輪」=「国益」として、今も続く原発事故とその被害の甘受を強要することは許せない。今こそ原発事故の国家・電力独占の責任を追及し、被災者・被災地切り捨ての「復興五輪」に反対しよう。

新型コロナウイルス感染下で新年の一般参賀をはじめ天皇制行事も中止してきた。その中でも天皇制国家の戦争責任を不問にし、新たな戦争国家化に向けて昨年は「8・15全国戦没者追悼式」だけは開催した。同様に今年の「10周年追悼式」は天皇制国家にとって重要だというのである。 私たちは、今回の天皇出席の原発推進・国家責任回避の「追悼式典」・一斉黙祷を許さず、「3・11」を反原発と責任追及の日にするために「3・11行動」への参加・賛同を訴える。

                                      2021年2月20日

呼びかけ:反戦反天皇制労働者ネットワーク

  3・11 行動実行委員会